状態:NGC-AU58(EF+/極美状態+)
オーストリアのハルで1626年に発行された2ターレル大型銀貨です。この銘柄はオーストリア大公レオポルトとクラウディア・デ・メディチとの結婚を記念して発行されました。オモテ面はオーストリア大公夫妻の肖像、ウラはハプスブルグ家の紋章「双頭の鷲」です。
クラウスのカタログ(Standard Catalog of World Coins 7th Edition)によりますと、本貨(KM-639.2/Dav3331)の価格ガイダンスはEF40クラスが1100ドルで、それ以上の表記はありません。なお本貨の発行枚数は不明ですが、他の同時代に発行された2ターレルの発行枚数から考えて、おそらく数千枚ではないでしょうか。同時代の1ターレルの発行枚数は各年概ね10万枚以上ありますので、この2ターレルの稀少さがわかります。
さてこのコインについてです。
オモテ/ウラとも高い部分に摩耗が見られますが、目立ったスレやキズ、ヘアライン、洗浄された痕跡なども見られません。打刻もはっきりしており、周辺部分に少しだけですがブルー系のトーンものっています。ウラに描かれた鷲の羽毛も細かい部分が綺麗です。この時代のターレルはローラーダイ(注)で作られており、コイン中央部分が少し湾曲したものが多いですが、本貨も中央部分が少し湾曲しています。
注)ローラーダイ:ローラー状の金属にコインの極印を刻んだものが「ローラーダイ」です。ローラーダイはコインのオモテ用とウラ用がペアになっています。昔の洗濯機についていた「絞り機(しぼりき)」の要領で1組(2コ)のローラーダイを回転させ、その隙間に金属の板を通すことによって、一度に大量のコインを造ることができました。こうすると一枚一枚コインをハンマーで叩くのに比べ大量かつ速くコインを造ることができたのです。ただこのローラーダイにも欠点がありました。コインのもとになる金属の板を2枚のローラーの隙間を通すので、本貨のような波うちがよく起きたのです。この時代の、特に大型の金貨や銀貨に波打った個体がよくあるのは、このような製造過程の要因によるものです。このような波打ちを欠点と見るか、それとも時代相応の味わいとみるかは皆さん次第です。欠点のない美しいコインがお好きな方は、このようなコインは向いていませんが、中級以上のコレクターには後者派の方が多いようです。
直径も48ミリほどあり、2ターレルならではの重厚なコインです。なおNGC社によってこの銘柄(Dav3331)は81枚鑑定されており内訳は以下の通りです。
MS64+:1枚
MS63:3枚
MS62:7枚
MS61:6枚
AU58:21枚 ←ココです(なかばあたり)
AU55:17枚
AU53以下:26枚 (14枚の数字なしDetail鑑定を含む)
この銘柄は、この時代の2ターレルの中では数多く残っているほうですが、それでも同時代の1ターレルに比べると出現頻度は低いです。
店主はここ数年、この時代のターレルの割安感を指摘してきましたが、ようやく最近になって少し見直されてきた感があります。それでもまだ割安感は強く、特に本貨のような2ターレルの数字付鑑定品は有望だと思います。
なお本貨はNGC社の大型ケース(通称「小ゲタ」)に入っていますので、その点ご注意ください、ケースのサイズは162ミリ×123ミリです。
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■サイズ:直径48ミリ、重さ56.8グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社であるNGC社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
■ゆうパック、もしくはクロネコヤマト便でお届けします。
■お支払いについて:本商品は[銀行振り込み]でお受けしております。
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