状態:NGC-MS62(UNC−/未流通−)
このコインはドイツがまだ多くの公国や王国に分かれていたころ、プロイセン(プロシア)のベルリンで作られた2ターレルの大型銀貨です。クラウス社のカタログコードはKM-467.2です。プロイセンが中心となってその後のドイツ帝国が形成されたように、プロイセンは当時すでにこの地域の中心的な存在でした。
オモテ面は当時の君主であるフリードリッヒ・ヴィルヘルム4世(在位1840〜1861年)です。ドイツのコインは銘柄数が極めて多く、一般に収集の対象になりにくいのですがこの2ターレルは例外です。本コインを含みドイツ諸邦(および現オーストリア)において、1837年から1872年まで本コインと同じ規格の2ターレルが発行されたのですが、銘柄数の合計は95銘柄に過ぎません。さらにこの2ターレルで特筆すべきはデザイン性です。ウラ面(紋章面)の拡大写真をご覧いただけるとお分かりのように、単にデザインが素晴らしいというだけでなく、刻印の精緻さや打刻の技術も際立っています。店主はこのコインをみて、ゲルマン民族特有の妥協を許さない職人魂を感じます。よほど高度な技術とコインに対する思い入れがなければ、このようなコインを作ることはできません。さらに驚くのは、このコインが贈呈用に作られたプルーフ貨ではなく通常貨だという点です。例えば同時代のイギリスやフランスでも、美しいコインはたくさんありますが、ルーペで拡大しますと(たとえ初期打ちの個体でも)どうしても細部に粗というか、手抜きのようなものが見えてしまいます。日常使われるコイン(「通常貨」)としては、むしろそれが当たり前で、この時代の2ターレルのほうが異常だと思います。少し大げさかもしれませんが、このコインを含む“南部ドイツ通貨同盟”規格の2ターレルは、「世界コイン史における美と精緻の頂点」だと店主は思います。
オモテ面も写真のように、発行当初の輝きをとどめる好状態です。
なおこのコインは1853年から1856年にかけ発行されていますが、一番多い年銘は1856年の約62.7万枚、続いて1854年銘が多く約14.7万枚です。本貨1855年銘は約10万枚です。10万枚と聞けば多いと感じるかもしれませんが、年銘や銘柄によって1000万枚以上発行されている1ターレルに比べるとかなりの希少コインです。以下NGC社による本年銘(1855年)の鑑定実績をご参照ください。
MS65:1枚
MS64:2枚
MS63:5枚
MS62:9枚 ←ココです(準最高鑑定)
MS61:8枚
AU58:6枚
AU55以下:23枚(数字なしDetail鑑定17枚を含む)
近年、19世紀2ターレル銀貨群は徐々に評価が高まってきたように思いますが、希少性やデザインの素晴らしさから考えると、まだ十分に評価されているとは思えません。
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■サイズ:直径41ミリ、重さ約37.1グラム、銀品位90%
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社であるNGC社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
■ゆうパック、もしくはクロネコヤマト便でお届けします。
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