状態：NGC／Ch AU Strike4／5,Surface4／5（UNC‐／未流通‐）
このコインはササン朝ペルシア2代目の王様、シャープール１世（在位AD241〜272年）時代に発行されたディナール金貨です。ササン朝ペルシア（AD226〜651年）は、メソポタミアから中央アジアに至る大きな版図を持っていたイラン系の国です。その広い版図の西の端ではローマと優勢に戦い、インドと接した東側ではクシャン朝インドと争って同国を滅ぼしています。
ササン朝時代には、王様の戴冠式などを記念して金貨ディナールが発行されましたが、上記のように本貨は２代目のシャープール１世時代のものです。オモテはシャープール１世の肖像で、「城壁冠」とよばれる王冠には「コリュンポス」と呼ばれる球体が飾られており、これは宇宙や地球の支配者であることの象徴です。城壁冠は敵の城壁に一番乗りした勇者に与えられる冠で、勇者の証でもあります。ウラは真ん中にゾロアスター教（ササン朝の国教です）の拝火壇がデザインされており、その左右には二人の王侯が立っています。向かって左側はこのコインの発行者である国王で、右側の人物については諸説ありますが、ササン朝の先祖もしくは神官ではないかと考えられています。シャープール1世時代に始まったこのデザインは、それ以降のササン朝ディナールの標準的な様式になってゆきます。
さてこのコインについてです。
本貨はスレ、キズ、削り痕、ブラシ痕などの欠点もなく良いコインです。
この銘柄はオモテの隆起した部分、たとえば王の冠やコリュンポス部分が摩耗したものが多いですが、ご覧のように本貨はほとんど摩耗が見られません。フィールド部分もキズがなく、全体的に十分な輝きをとどめています。またこの銘柄は、不思議とウラ側の（向かって）右側の人物の顔が潰れたものが多いのですが、ご覧のように本貨はきれいに打たれています。
この銘柄のNGC社による鑑定数はわずか172枚にすぎません。そのうちMSクラスは52枚で、本貨Ch AUクラスは84枚です。この銘柄は現在に残された個体は比較的状態が良いものが多いですが、残存数そのものが少なく希少な銘柄です。趣味の対象として、投資の対象としても面白いコインだと思います。
なお同時代にお隣の帝政ローマでは金貨アウレウスが発行されていて、アウレウスはこのコインとほぼ同じ重量とサイズですが、おおざっぱに価格は2〜3倍ほどします。本貨を含むアジアの金貨は割安感があると店主は思います。
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■サイズ：直径約21ミリ、重さ約7.35グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社であるNGC社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
■ゆうパック、もしくはクロネコヤマト便でお届けします。
■お支払いについて：本商品は銀行振り込みでお受けしております。
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