状態:ANACS-MS63(UNC/未流通)
このコインは古代インドのヴァスデヴァ1世時代(AD191-225年)に発行されたディナール金貨です。クシャン朝はインド北部から中央アジアあたりにあった国で、初代クジャラ・カドフィセス(紀元前1世紀ごろ-紀元1世紀ごろ)以降、ヴィマ・タクト(在位AD80年-107年ごろ)、ヴィマ・カドフィセス(在位AD107年-127年ごろ)と続いた後、有名なカニシカ王(在位AD127年-150年ごろ)の時代に最盛期を迎えます。
本貨はカニシカ王の2代あとヴァスデヴァ1世時代に発行されたディナールです。サイズは現代コインと比べると小さいですが、古代は金の産出量が少なくこれが標準的なサイズです。当時のインドは帝政時代のローマと交易しており、サイズを統一したと考えられます。当時ローマではアウレウスと呼ばれる金貨が使われていましたが、重量は本コインとほぼ同じです。帝政ローマ時代のアウレウスなら、この程度の状態で150万円をくだることはありません。
さてこのコインについてです。
オモテ面はヴァスデヴァ1世の立像で、左右の手に一つずつの三叉の戟(さんさのげき)を持っています。ヴァスデヴァはスカートとブーツを履いており、クシャン朝がもっていた騎馬民族的な要素がうかがえます。
ウラ面はインドのヒンドゥー教の神様シヴァ(OHPO⇒写真9ご参照)の立像ですが、OHPOをシヴァ神ではなくゾロアスター教の「風神ウェーショー」だと考える人もいます(田辺勝美1992)。そしてシヴァの背後にはシヴァの乗り物である雄牛がいます。
驚くのは本貨の状態です、一般的にこの銘柄の場合、オモテのヴァスデヴァの胸からスカートにかけ高い部分は摩耗しているものですが、ご覧のように本貨にはほとんど摩耗が見えません。また腕、足、顔あたりもほとんど流通痕がなく稀に見る高状態です。ヴァスデヴァの顔も綺麗に残っており打刻も良好です(6番目の写真でご確認ください)。ウラはシヴァの顔、体、あと牛も摩耗なく素晴らしい状態です、センターも良く文字もはっきりと残っており、クシャン朝前期のディナールにしてはかなりの高状態です
クシャン朝のディナールは3代目のヴィマ・カドフィセス、4代目のカニシカの人気が高く高値を付けますが(注)、5代目のフヴィシュカ、6代目のヴァスデヴァ1世までは希少性が高く値が張ります。
注)クシャン朝のディナール金貨は3代目のヴィマ・カドフィセスから始まります。
なおヴァスデヴァ1世のディナールはさほど市場に出てきませんが、一昨年(2023年)10月のオークションワールドで、本貨より状態が劣る未鑑定のVF−評価が、総支払額ベース28.8万円で落札されています。
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■サイズ:直径19ミリ、重さ約7.8グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社のANACS社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。なお同社は古代インドを鑑定できる唯一の鑑定会社です。
■ゆうパック、もしくはクロネコヤマト便でお届けします。
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