状態:NGC-MS62(UNC-/未流通-)
オーストリアのハルで1686年に発行された2ターレル大型銀貨(KM-1338.2)です。
オモテ面は神聖ローマ皇帝1世レオポルト(在位1658年-1705年)の肖像、ウラはハプスブルグ家の紋章「双頭の鷲」ではなく「単頭鷲」です。
クラウスのカタログ(Standard Catalog of World Coins 7th Edition)によりますと、本貨(KM-1338.2)の価格ガイダンスはEF40クラスが1650ドルで、それ以上の表記はありません。なお本貨の発行枚数は不明ですが、同時代に発行された2ターレルの発行枚数から考えて、おそらく数千枚ではないでしょうか。同時代の1ターレルの発行枚数は各年概ね10万枚以上ありますので、この2ターレルの稀少さがわかります。市場への出現頻度は1ターレル100枚に対して2ターレルは1枚程度しかありません。
さてこのコインについてです。
拡大写真のように全体的にコンディションはかなり良く、色合いは落ち着きのあるグレー系です。この時代のターレルは、鑑定会社によって数字付で評価される個体でも、古い時代に浄されて白っぽく変色しているコインをよく見かけますが、本貨には人の手が加わった痕跡はみえません。また派手ではないですが、ウラ・オモテとも深いグレー系のトーンが均一に乗っていて、300年以上保管されてきた風格を感じます。
この銘柄はオモテの軍服や髪の毛、あるいはレオポルトがつけている月桂冠などの隆起した部分に摩耗が目立つ個体が多いですが、ご覧のように本貨にはほとんどそれが見られません。ウラ面の鷲の顔は少し摩耗していますが、胸の羽毛や羽は摩耗がほとんど見られず打刻もシャープです。NGC社の評価MS62以上の高状態だと思います。
なおこの時代のターレルはローラーダイ(注)で作られていますので、本貨も中央部分がホンのわずかに湾曲していますが、これはこの時代のターレルによくみられる特徴です。
注)コインの量産を可能にするため、二本の金属ローラーの間を通すことによりコインに刻印を打つ製造方法
直径も47ミリほどあり、2ターレルならではの重厚なコインです。なおNGC社によってこの銘柄は79枚鑑定されています、下のようにこの銘柄の平均的な状態はAU58あたりですから、本貨はかなりの高状態です。
MS65:4枚
MS64:3枚
MS63:8枚
MS62:10枚 ←ココです
MS61:8枚
AU58:16枚
AU55:9枚
AU53以下:21枚(数字なしのDetail鑑定15枚を含みます)
店主はここ数年、この時代のターレルの割安感を指摘してきましたが、ようやく最近になって少しずつ見直されてきた感があります。なお「ときいろ」では昨年(2024年)、この銘柄のNGC-MS62を68万円で販売しています。
なお本貨はNGC社の大型ケース(通称「ゲタ」)に入っていますので、その点ご注意ください、ケースのサイズは160ミリ×120ミリです。
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■サイズ:直径47ミリ、重さ約56.7グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社であるNGC社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
■ゆうパック、もしくはクロネコヤマト便でお届けします。
■お支払いについて:本商品は銀行振り込みでお受けしております。
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