状態:準未流通(未鑑定)
このコインはクシャノ・ササン朝時代の3世紀に発行された金貨ディナールです。
ササン朝ペルシアは、AD230年前後にクシャン朝が支配するインド北部に侵入し、その後この地域を支配下に置きました。それ以降ササン王朝が藩王を置いて支配したため、この地域は「クシャノ・ササン朝」と呼ばれています。もともとガンダーラと呼ばれるこの地域は、クシャン朝インドの支配下にあったのですが、ヴァスデヴァ2世時代(在位AD240-270年)から弱体化し、上記のようにこの地域をササン朝に奪われてしまったのです。
このコインはインド北部に侵入したクシャノ・ササン朝が、ヴァスデヴァ時代のディナール模して作ったと考えられています。
さてこのコインについてです。
3、10番目の写真のように本貨は薄く平たく杯状に成形されています、この点ではクシャン朝のヴァスデヴァ時代のディナールと比べ明らかな違いがあります、クシャン朝のディナール同様、7グラム強の金貨ですが直径が28ミリほどもあるのがこの銘柄の特徴です。
ご覧のようにウラ/オモテとも使用痕はさほどなく、キズや変色、削り痕などの欠点も見えません。凹状になったオモテには、クシャノ・ササン朝以前にこの土地を支配していた、ヴァスデヴァ王の肖像が打たれています、コインのフチの部分にも同王の名前が刻印されています。ヴァスデヴァは三日月形の宝石が付いた三角形の兜を被り、全身に鎧を身に着けています。
凹になっているウラ面には、ヒンドゥー教の神様シヴァが牛に腰掛けており、これはあきらかにササン朝ではなくクシャン朝のデザインです。ササン朝に起源をもつクシャノ・ササン朝が、なぜこのようなクシャン朝的デザインを採用したのか不明ですが、現地に同化する意思が働いたのかもしれません。
この銘柄はペルシア的要素とインド的要素が混在した、歴史的にも面白いコインです。金の純度は不明ですが、同時代のインドコインの事例や色合いなどから考えて、おそらく90%程度の純度はあったと思います。であれば金の地金価格だけでも10万円ほどに価値はあります。1800年ほども前に発行された金貨が、この程度の価格で入手できるのはなんだか不思議です。
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■サイズ:直径28ミリ、重さ約7.2グラム
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