状態:PCGS-AU53(EF−/極美状態)
イギリスで1601年から1602年にかけ発行されたクラウン銀貨(S-2582)で、肖像はエリザベス1世(1558年から1603年)です。エリザベス時代には7回にわたって銀貨が発行されましたが、本銘柄はその最後に発行されたコインです。
イギリスの大型銀貨クラウンは、エドワード6世時代の1551年に発行が始まりました。次のメアリー(およびメアリとフィリップ1世)時代は治世が短くクラウン銀貨の発行はありません、したがって本銘柄はイギリス史上2番目のクラウン銀貨です。さらに細かく言えばエドワード6世クラウンは騎乗の王様(遠景)が描かれていますので、本銘柄はイギリス史上初めての「肖像クラウン」ということになります。エリザベス1世は王様としても人気があり、この銘柄は歴代クラウンの中で最も人気がある銘柄の一つです。
同時代にドイツで発行された大型銀貨ターレルに比べると、打刻は弱いですし技術的にも未成熟です、でもそれがこの銘柄の味わいになっています。この銘柄は使用された期間が長く、摩耗が進み肖像が判別できないものが大半ですが、本貨は写真のようにエリザベスの表情が残っていますし、王笏(おうしゃく=Scepter)をもつ3本の指や衣装、王冠などもよく残っています。
さてこのコインについてです。
オモテ/ウラとも大きなキズやアタリはみえず、摩耗もこの銘柄にしては少ないです。この銘柄をご存じの方ならお分かりだと思いますが、本銘柄の平均的な状態はFからせいぜいVF程度にすぎません、本貨のようなEFクラスは滅多に市場に出てきません。
色合いはオモテは全体に沈んだグレーですが、フィールド部分に光の当て方を変えるとホンの少しだけブルー系のトーンが見えてきます。
ウラの色あいはオモテに比べてやや明るく、均一なゴールデン系のトーンが乗っています。オモテ同様に打刻はしっかりとしており周辺の文字や中央の紋章もはっきりしています。
なおPCGS社は本銘柄を28枚鑑定していますが、内訳は以下の通りです。
AU55:3枚
AU53:2枚 ←ココです(準最高鑑定)
AU50:2枚
XF45:8枚
XF40:7枚
VF35:1枚
VF30:2枚
F20:2枚
F15:1枚
ご参考までに以下はNGC社による75枚の鑑定数の内訳です。
MS62:1枚
MS61:1枚
AU58:3枚
AU55:8枚
AU53:2枚
AU50:3枚
XF45:13枚
XF40:9枚
VF35/VF30:17枚
F15/F20:3枚
VG10以下:16枚(15枚の数字なしDetail鑑定含む)
注)この銘柄にはミントマーク「1」と「2」がありますが、後者はほとんど残っておらず、市場に出てくる大半は「1」です、本貨も「1」です。
上のようにMSクラスも無くはないのですが、AUクラスでさえかなりの高状態だとわかります。
イギリスのクラウンは昔から人気がありますが、これほどの高状態はなかなか入手が難しいと思います。この銘柄の高状態コインは市場になかなか出てきませんが、先日(2025年1月)のオークションワールドでNGC-XF40が手数料込み約75万円で落札されています。
本貨は高額コインではありますが、その価格に見合った価値があるコインだと思います。
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■サイズ:直径43ミリ、重さ約29.6グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社PCGS社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
■ゆうパック、もしくはクロネコヤマト便でお届けします。
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