状態:NGC-MS63(UNC/未流通)
ルイ・ド・マーレ(フランドル伯ルイ2世/在位1346年から1384年)統治下、フランドル地方(現ベルギー、フランス、オランダの一部)で発行された1フラン金貨(Fr-156)です。馬に乗った騎士が描かれていることからキャバリエ・ドール(Cavalier d'or=Gold Rider)とも呼ばれています。
当時のフランドルはフランドル伯によって統治されていましたが、隣国フランスから軍事的な圧力を受けていたからでしょう、本貨にもフランスの影響が見られます。
オモテは騎士が描かれていますが、よくみると騎士はフルフェイスの兜をかぶっており、胸にはフランドルの紋章「ライオンの立像」が描かれています。馬も装甲しており胸にはライオン立像がデザインされています。馬の前脚は、はみ出してフチの文字にかかっていますが、これは絵筆の勢いというものでしょう。
世界的にみてこのコインは中世の金貨に分類されますが、この時代はヨーロッパに限らずインド、中東などコイン先進地帯に共通した「コイン不毛の時代」と言っていいでしょう。世界にみたコイン最盛期は紀元前から紀元2世紀あたりにかけてですが、それ以降の貨幣経済は停滞期に入り、金貨は急速に小型化しデザインもつまらなくなります。例外的にキャバリエ・ドールと呼ばれるこの銘柄は、中世金貨の中でデザインが面白い金貨です。ご覧のように馬に躍動感がありますし、騎士の装備から当時の戦闘の様子を垣間見ることができます。
さてこのコインについてです。
オモテ/ウラとも摩耗が少なく、この時代の金貨にしてはかなりの高鑑定です。打刻も両面とも真ん中に打たれており、フチの文字も切れていません。この銘柄は3.8グラムほどの軽量コインではありますが、これは貨幣経済の規模を反映したもので、同時代の平均的なサイズといっていいでしょう。
スレ、キズ、変色なども見当たらず、落ち着いた輝きを残した良いコインです。
なおNGC社の鑑定実績は以下の通りです、この銘柄は発行後700年近くたっている割には状態の良いコインが残っていますが、そのなかでも本貨は高鑑定です。
MS65:1枚
MS64:6枚
MS63:15枚 ←ココです
MS62:10枚
MS61:4枚
AU58以下:4枚(3枚のDetails鑑定含む)
状態もいいですし決してたくさん残っているコインではありません。今のところさほど人気があるわけではありませんが、逆に言えば評価不足だと思います。なおフリードバーグのGold Coins of the World 10the editionによれば、本銘柄の価格はEF/UNCで5000ドル、Ch UNCで7500ドルとなっています。
なお本貨の類似銘柄(1419年-1457年に発行されたキャバリエ・ドール/Fr-183)のPCGS-MS63が、昨年のオークションワールドで手数料込み約166万円で落札されています、Fr-183のカタログ価格は本銘柄と同等です。
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■サイズ:直径29ミリ、重さ約3.8グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社NGC社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
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