状態：NGC-VF Strike 4/5, Surface 2/5（Fine＋）
プトレマイオス朝エジプト最後の王様クレオパトラ7世（在位BC51〜30年）時代に、アレキサンドリアで発行された80ドラクマエ銅貨（2ボル銅貨）です。クレオパトラはBC51年に、父王の死去と同時に18歳で王位に就き、BC30年に39歳で自害していますので、本貨に描かれた肖像は18歳から39歳までのいずれかの時点ということになります。クレオパトラのコインには、反対面にアントニウスが描かれたものがありますが、その手のコインはクレオパトラがアントニウスと結婚したBC40年以降に発行されたものです。これに対して本貨はクレオパトラ単独の肖像ですから、おそらくはそれ以前（BC40年以前）に発行されたものではないでしょうか。であれば本貨のクレオパトラ像は、18歳から29歳までの、いわばヤング・クレオパトラということになります。たしかに本貨のクレオパトラには若々しさがあります。
さてこのコインについてです。
NGC社の評価はご覧のようにVFですが、この銘柄は全般的に状態が悪いのでVF鑑定程度でも状態は良いほうです。なおNGC社の古代鑑定は一般的にオーバーグレードで、本貨もF＋程度とお考え下さい。当時の銅貨は庶民が普段使いしたもので、本貨もかなり使い込まれた痕跡が見られます。クレオパトラの頭部が少しはみ出ていますが、磨き痕やスレ、キズなど大きな欠点は見えません。この銘柄にしては状態が良いほうです。
クレオパトラはギリシャ系だったそうですが、20歳代（だと思われる）の若々しく美しい横顔が描かれています。またウラは王権の象徴ワシがほぼ中央に打たれています。
ケースに入っているので分かりづらいですが、本貨は17グラムほどもある重量感あるコインです。大型の銀貨テトラドラクマの重さも17グラムほどですから、本貨のサイズ感がお分かりいただけると思います。大型コインならではの厚みは、5番目の横からの写真でご確認ください。
本貨の状態はFine＋クラスではありますが、クレオパトラのコインは、状態にかかわらず希少で値が張ります。なお昨年（2024年）末に開かれた「日本コインークション」で本貨と同銘柄の未鑑定コインが出品され、総支払額ベース約28.万円で落札されました、なお状態はオークション会社の評価でGoodでした。ここ数年国内で、本銘柄の鑑定済みコインは見ていませんが、2022年の国内オークションに2枚出品され、以下の通り価格で落札されています。
・NGC-VF Strike4/5,Surface3/5 ⇒48万円+11％
・NGC-Ch VF Strike4/5,Surface2/5 ⇒82.5万円+11％
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■サイズ：直径26ミリ、重さ約16.94グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社NGC社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
■ゆうパック、もしくはクロネコヤマト便でお届けします。
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