状態:EF+(ケースに入っていませんのでご注意ください)
グプタ朝はチャンドラグプタ1世の時代(AD320〜335年ごろ)に建国され、3代目のチャンドラグプタ2世の時代に北インドから南インドまで版図を広げて全盛期を迎えました。このコインは2代目のサムドラグプタ王(在位AD335〜380年)の時代に発行された金貨です。サムドラグプタは父チャンドラグプタ1世の偉業を引き継いだうえ、さらに南インドからスリランカまで勢力を広げ、南北インドにわたる広大な地域を版図に収めました。このコインはその時代に発行されたものです。
この時代の金貨はクシャン朝時代と同様ディナールと呼ばれており、サイズや重量もクシャン朝時代の金貨の様式を踏襲しています。ただし図柄はずいぶんと変わりました。オモテ面は王様サムドラグプタの立像で、右手にはグプタ王家の紋章であるガルーダ鳥を乗せた旗竿を持っています。左手には槍を持っていますが、槍に向かって右にはブラフミー文字で王の名前が打たれています。ウラ面はヒンディーの神様ラクシュミで座椅子に座っています。グプタ朝時代の人物や神様の描き方は独創的で、クシャン朝時代と違い東洋的な体の柔らかさが感じられます。グプタのディナールにしては珍しい高状態で、ほとんど摩耗は見られません。
さてこのコインについてです。
オモテのサムドラグプタの肖像はほとんど摩耗しておらず、この銘柄にしては稀な状態です。5、6番目の写真のように王様の表情も確認することができますし、宝石で飾られたヘアバンドや耳飾りまできれいに残っています。通常この銘柄は隆起した部分が摩滅しているのですが、本貨は乗馬用ベストのボタンやブーツのトゲトゲまで確認することができます。
なお本貨のサムドラグプタの衣装をみると、ピッタリとした上着やブーツを履いていますが、これは北方からインド北部に侵入したクシャン朝の影響だと店主は考えています。
このことからグプタ朝の初期段階では、北方の騎馬民族的な要素を持っていたことがわかります。さらにグプタ朝は時代の経過とともに、徐々に北方的な性格を失っていったことも、私たちは本銘柄以降のグプタ朝コインから知ることができます。この時代は歴史遺物がさほど多く残っておらず、コインは歴史を知るための重要な手掛かりになります。
このコインはグプタ朝時代でも初期のコインですが、北方的な要素をとどめながら、一方ではグプタ朝特有の自由な表現を見せてはじめています。グプタ朝のディナールの魅力は、型にはまらず自由でインド的な人物姿にあると思います。店主はこのグプタ朝のディナールが好きで、良い個体が出てきたら買い付けるようにしています。でもグプタ朝のディナールはめったに入手できません、特に本貨のように状態の良い個体は入手困難ですし値も張ります。
さらにこのコインについて、続きです。
ウラ面もかなりの高状態で、ご覧のようにラクシュミの髪飾りや着衣のドレープまできれいに残っており、この銘柄では稀な状態です。特に店主が感心するのはラクシュミの足元にある「踏み台状」の部分で、ご覧のように細かい紋様がはっきり残っています。この部分は摩滅して平板状になっている個体が多いのですが、店主はこの個体によって初めて詳細なデザインを知りました。
店主はインドの経済成長性や富裕化などから考えて、インドのコインは将来有望だと思います。なかでもインド中央部に勢力を張ったという地理的要因や、デザインの面白さなどから考えて、グプタ朝金貨は面白いと思います。
本貨はケースにはっておりませんので、手で直接触れて頂くことができます。皆さんも古代の手触りをお楽しみください。なおNGC社/PCGS社は古代インドのコインを鑑定できませんので、大半のグプタ朝コインは本貨のようにケースに入っていません。
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■サイズ:直径21ミリ、重さ約7.9グラム
■本貨は、鑑定会社のケースに入っていない“裸のコイン”ですが、本物であることを保証いたします、どうぞご安心のうえお買い求めください。万一偽物と判明した場合、他の「ときいろ」の商品と同様、無期限に返品を承ります。
■ゆうパック、もしくはクロネコヤマト便でお届けします。
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