状態：金貨100コリ（KM-Y19) / NGC-MS63（UNC／未流通）
状態：銀貨 5コリ（KM-Y67) / PCGS-MS65（FDC／完全未流通）
この2枚のコインはインド西部の沿岸地域にあった藩王国カッチ（Kutch）で発行されました。金貨はプラグマルジ2世（PRAGMGALJI ��/在位西暦1860-1875年）時代に発行された100コリ金貨、銀貨のほうは次の王様ケンガルジ3世（同1875-1942年）に発行された5コリです。
イギリスは1858年からインドの本格統治を始めていましたが（インド帝国時代）、当時のインドには100以上もの藩王国（映画「インディ・ジョーンズ」に出てくるマハラジャの侯国です）があり、それらのうち一定の条件を満たした34国に対し、イギリスは引き続き独自の通貨発行を認めていました。100コリ金貨のほうは藩王国の一つカッチ（Kutch）で1866年に発行されたコインです。同時期に25-50コリ金貨も発行されていますが、この100コリは最高額面です。
なおこのコインにはペルシア文字でVictoria Empress of India(インドの女帝ヴィクトリア)と刻まれています、当時のカッチはインド国内の微妙な政治情勢のなか、イギリスへの従属を示す必要があったのでしょう。なおこのコインが発行されたあと、1893年以降、大半の藩王国は独自の金貨の発行権を放棄したといわれています。
さて、この２枚のコインについてです。
金貨のほうはやや使用痕がありますし、ウラ面の11時のフチ近くに、ホンのわずかなラミネーション（平ガネの剥がれ）があります。ほとんど欠点とは言えないような軽微なものですが、念のため拡大写真をアップしておきました（8番目の拡大写真でご確認ください）。
ラミネーション：コインの素材となる金属（本貨の場合は金）の表面にできた剥離を指します、ラミネーションはしばしば金属に不純物が混入することなどによって生じます。
もともとこの時代のインド藩王国では、さほど経済活動が活発でなかったようですし、この銘柄も2年間しか発行されていません、残存数もさほど多くなく、NGC社は2年号合わせて35枚しか鑑定していません、内訳は以下の通りです。
MS66：1枚
MS65：3枚
MS64：6枚
MS63：10枚 ←ココです
MS62：2枚
AU58：2枚
AU55：2枚
AU53以下：9枚（7枚の数字なしDetails評価を含みます）
ご覧のように本貨MS63は中ほど当たりの状態ですが、鑑定数が少なく希少性は高いです。
なお銀貨5コリのほうは時代が新しいこともあり、ご覧のようにウラ/オモテとも銀本来の輝きをしっかりとどめています。スレ、キズなどの欠点はほとんど見えませんし摩耗も軽微です。残存数は多いようでたびたび市場に出てきますが、PCGS社による本年銘の鑑定数45枚のうち本貨MS65は準最高鑑定（同位に5枚）です。
ここのところインドのコインは古代からイギリス統治時代まで幅広く買われていますが、このコインも数が少なく面白いと思います。なお「ときいろ」では、4年前に100コリ金貨のPCGS-MS65を51万円で販売していますが、この価格はすでに過去にものになってしまいました。
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■サイズ：100コリ/直径約28ミリ、重さ約18.7グラム（金品位：90.6％）
サイズ：5コリ/直径約32ミリ、重さ約13.9グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社のNGC社/PCGS社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
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