状態:NGC-MS64(UNC+/未流通+)
このコインはタイのラーマ4世時代(在位1851-1868年)に発行された2.5バーツ金貨です。デザインは同時期に発行された「象さん銀貨シリーズ」とほぼ同じです。直径わずか1.6センチほど、重さ2.2グラムの小型コインですが、残存数が少なく人気があります。なおラーマ4世の時代は日本の幕末に相当し、「王様と私」のモデルになった人です。
この銘柄(KM-Y13)は1863年の単年発行ですが、同時に4バーツ(KM-Y14)、8バーツ(KM-Y15)の金貨が発行されています。この3銘柄のカタログ価格は以下ご参照ください。
・2.5バーツ(KM-Y13):4,000ドル
・4バーツ(KM-Y14):4,000ドル
・8バーツ(KM-Y15):10,000ドル
注)いずれもクラウスの9th Edition、MS60の価格です。
この翌年1864年にはラーマ4世の生誕60周年を記念し、4バーツ以下、7銘柄の「記念金貨」が発行されました。が、作られた枚数はわずかに5セットで、そのうち2セットはタイ王室の所有です。本貨KM-Y13はその前年に発行された「通常貨」ですが、残存数は少なく滅多に市場に出てきません。
なお次の王様ラーマ5世(在位1868-1910年)時代の1895年にも、2.5バーツ(KM-Y13.1)、4バーツ金貨(KM-Y14.5)、8バーツ金貨(KM-Y15.1)の金貨3種が発行されています。打刻の精度はラーマ5世時代のほうが格段に高まりますが、市場価格はラーマ4世のほうが高いです。
ご参考までに、ラーマ4世と同5世のカタログ価格(クラウス9th edition)を比べますと以下の通りです。
・ラーマ4世の2.5バーツ金貨(1863年/KM-Y13):MS60が4,000ドル
・ラーマ5世の2.5バーツ金貨(1895年/KM-Y13.1):MS60が2,800ドル
デザインがほぼ同じで間違われやすいですが、同じ銘柄ではありません。
さてこのコインについてです。
ウラ/オモテとも打たれた当時の輝きをとどめながら、150年以上の時代経過によって落ち着いた風合いが出ています。目立ったキズやアタリ、スレなども無く摩耗も軽微です。この銘柄は打刻が甘いものが多く、特に多くの個体はウラ面の中央の仏塔あたりが弱うちです、本貨もウラの中央が弱うちですが、これは摩耗によるものではありません。
なお一点ご注意いただきたいのは、オモテ面の象さんの左側にある縦の線です。拡大写真をご覧いただいてお分かりのように、これはキズやスレではなく変色によるもので、無いに越したことはありませんが大きな欠点ではありません。
なおNGC社は本銘柄を25枚鑑定していますが、内訳は以下の通りです。
MS67:2枚
MS66:5枚
MS65:3枚
MS64:6枚 ←ココです
MS63:2枚
MS62:1枚
MS61:1枚
AU58:1枚
AU55以下:4枚(数字なしのDetail鑑定3枚を含みます)
ご覧のように本貨は平均的な状態です。
日本で初めて西洋基準の丸いコインが発行されたのは、明治3年(1870年)になってからですし、アジア全体を見渡しても「アンティーク・コイン(注)」の基準を満たすコインはごくわずかです。このような理由から、アジアでは必然的にごく一部のコインに人気が集中せざるをえません。
注)アメリカ/ヨーロッパでは、製作後100年が経っているものをアンティークと呼びます。古いけれど「アンティーク」の基準を満たさないものは「ヴィンテージ」と呼ぶそうです。
本銘柄はアジア全体を見渡しても、最も早期に発行された西洋型コインといってよいでしょう。なんでもイギリスから贈られたコイン鋳造機で造られたそうです。経済的な成長に伴って、アジアのコインは全般的に急速に値を上げていくと店主は予想しています。本銘柄はデザインも面白くラーマ4世のネームバリューもあり、ちっちゃいコインですが、1800年代に発行された数少ないアジアの金貨として、今後も人気を集めるのではないでしょうか。
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■サイズ:直径15ミリ、重さ約2.2グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社のNGC社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
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