【制作依頼をいただいた経緯】
お客様は、福島県南相馬市原町で洋菓子店を営む 菓詩工房わたなべ 様です。
東日本大震災以前は、同市内の小高区で営業をされていました。
地元が誇る名店で、メディアで取りあげられたり、他県からも買い求めにくるお客様もいるほどの人気店です。
制作依頼に至った、わたなべ様の想い(ご本人様からの言葉)です。
『被災し、すぐに事業再開できるものと思い避難したものの、避難解除まで時間がかかってしまった。待ってくださっているお客様の為に少しでも早く再開しなければと、別な場所で事業を再開しました。小高の店舗(被災前の店舗)は、今日現在まで手つかずのままで風化もはじまり、このままの状態にはしておけないと理解しつつも、思い入れのあるこの建物を簡単に壊すことはできず、葛藤の日々を過ごしています。近い将来、この建物も解体せざるを得ない状況なので、心にひと区切りをつけるつもりでミニチュア制作を依頼しました。』
【制作について】
ご事情により設計図が入手できず、数枚の写真だけで制作することになりました。
わたなべ様からのご要望は、「店看板の横にいる人形」、「3階の窓辺でブランコに乗る人形」、「2階の突き出しランプ」、「店前の木と外灯」、そして「レンガの噴水」の再現でした。
私にとってはかなりの難題でしたが、何よりも写真にうつる建物に一目惚れしてしまい、是非作らせていただきたいと即答しました。私の大好きな「自宅がお店屋さん」であり、そして大好きなヨーロッパの木組みの家です。写真を穴があくほど見つめ、虫眼鏡で観察し、独自の計算方法で建築模型(モックアップ)を作りながら設計図を作成していきました。作成した設計図は10枚に及びます。
作り進めていくと、「この建物はただものではない」とすぐにわかりました。サイズの違うドーマー(屋根窓)へのこだわり、上層階にいくにしたがって前にせり出していく造り、木組みのデザインも本当に細かい…。そして、120もの穴を切り出した細かい格子状の出窓が1階と2階にあり、周囲の壁にはレンガを貼って個性を出しています。「なんちゃって」ではなく、これぞ本格的なヨーロッパの木組みのお家です。店看板やランプにはツタがからみ、ブランコは鉄製の木の枝に吊られています(写真10、11枚目)。この想像以上に凝っている看板やランプもヨーロッパの街で見られるアートそのもの。ちなみに私が作成した看板横に立つ人形は全長約13ミリ、洋服の前合わせの段差は0.3ミリで、小さくても蝶ネクタイや靴も履いています(写真4枚目)。
そして、玄関ドアにはステンドグラスが施され、店前に敷き詰められたレンガはヘリンボーンという複雑な敷き方で、しっかり支え合う構造です。手の込んだレンガの噴水は、営業当時のように可愛らしい小花を植えて仕上げました。想い出の詰まった大切な建物を、できる限り再現させていただきました。
制作期間は約4カ月半、作品は実寸の50分の1サイズです。
【完成品を見て、お客様の声】
わたなべ様より下記メッセージをいただきました。
『制作経過報告でその都度感動しておりましたが、一つになった時のクオリティが想像よりもはるかに高く言葉がでません。震災前の生活を思い出し、懐かしさのあまり涙がでてしまいました。私達の生活を写真だけで想像し、その気持ちを組んでくださり本当にありがとうございます。これまでメールでのやりとりしたその時々の思い、感謝してもしきれません。emi*さんに制作をお願いして心の奥底から良かったと思っております!!』
--- こちらこそ本当にありがとうございました。いただいたお言葉はこれからの私の宝物です。素晴らしい建物、素敵な方に出会えてとても幸せでした!! 作家 : emi* ---
❖菓子工房わたなべ様のインスタにて、本商品を紹介していただいてます! こちらから★
<サイズ>
お家:横14.0×奥行き壁12.7×高さ18.6(�僉�
全体:横15.5×奥行15.0×高さ19.5(�僉�
<素材>
家はスチレンボードで組み立て、樹脂やアクリル絵の具で塗装し、ニスで保護しています。パーツに木材ワイヤーなども使用しています。作品の土台は塩ビ板で、お家には明かりが灯ります。
[お願い] 掲載している写真のコピー・転用は固くお断りいたします。