オンラインショップ「ときいろ」

□状態：NGC-MS63（UNC）

スペイン王フェルディナンド7世時代の1819年に、コロンビアのポパヤン（Pミント）で発行された8エスクード金貨です（1819P FM/KM-66.2）。肖像はフェルディナンド7世ではなく、その前の王様カルロス4世です。スペイン植民地のカルロス3/4世、フェルディナンド7世の8エスクードはたくさん残っていますが、状態のよいものは稀です。なおNGCのケースに書かれているように、このコインは旧Norweb コレクションのうちの1枚です。

以下はNGC社による上位鑑定ですが、ご覧のように本貨MS63は総鑑定数21枚のうち2番目の高鑑定です。

MS65:1枚
MS63: 2枚　　←ココです
MS62: 1枚
MS61: 2枚
MS60: 1枚
AU58: 3枚
AU55: 0枚
AU53以下: 11枚
 
なお以下は、過去1年半分（2020年4月から2021年10月）の本銘柄（全ての年号）国内大手オークションへの出品数です。
 
MS63: 1枚
MS62: 1枚
MS61: 1枚
AU58: 1枚
AU55: 3枚
AU50: 1枚
XF45: 1枚
XF40: 2枚
数字なしDetails: 8枚
 
ご覧のように1年半の間に出品された19枚のうち、本貨と同等のMS63は1枚しか出ていません。さらにその前のカルロス3世/4世の8エスクードについて集計しましたが、全ての出品数68枚のうち、最高の評価はMS62(2枚)で、以下MS61(4枚)、AU58(3枚)、AU55(10枚)と続きます。カルロス3世/4世、フェルディナンド7世の出現頻度は高いのですが、上記のように状態の良いコインは稀です。
 
この時代に中南米で発行された大型金貨は世界的にも相場上昇中ですが、本貨のように高状態のものは枚数も少なく、今後の価値上昇にも期待が持てると思います。なお「ときいろ」では1818年の同銘柄、同状態（NGC-MS63）を今年2月（2021年2月）に108万円で販売しましたが、その後の相場上昇により、今ではその値段でお売りするはできなくなってしまいました。
 
さてこのコインですが、ご覧のようにオモテ/ウラとも鋳造時の輝きをとどめており、店主が今まで見た本銘柄の中でも最も美しいコインです。この銘柄は重さの調整のため、鋳造後に削り痕（アジャストメントマーク）が付いてしまう個体が多いのですが、ご覧のようにこのコインはほとんど見られません。両面とも丁寧にうたれており、特にウラ面の紋章や文字は浮き出て見えるほどです。あえて難点を挙げるなら、オモテの肖像の首あたりがやや弱打ちになっているところですが、他に欠点が見当たらない素晴らしいコインだと思います。
 
このコインは1800年代初頭に発行されたものですが、同時代のイギリスはじめヨーロッパの大型金貨に比べると、まだまだ割安感が強いと思います。