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□状態：NGC-MS70PL

1907年にアメリカで発行された20ドル金貨は、セントゴーデンス氏（Augustus Saint-Gaudens）によってデザインされました。
 
1907年に発行されたセントゴーデンス20ドルの初年号は、わずか約12,000万枚のみ発行され、翌年以降のセントゴーデンスに比べ「ハイレリーフ（立体的に）」状に打たれており、アメリカで最も美しいコインといわれています。
 
さらにこの1907年には、特に入念かつ立体的に作られた「ウルトラ・ハイレリーフ」と呼ばれる贈呈用プルーフコインがあります。
 
本貨は2009年に造られたウルトラ・ハイレリーフの現代版で、コイン製造技術の粋を集め発行されました。2009年のみの発行（単年発行）で114,427枚造られています。なおオモテ面が同じデザインの50ドル金貨が1986年以降現在まで発行されていますが、そちらの累計発行枚数は1300万枚を超えます。
 
さてこのコインですが、NGC社のおひざ元だけあって本銘柄は2.1万枚以上が鑑定されていますが、PL(プルーフライク)と評価された個体は3,223枚（約15％）に過ぎません。PLは通常貨ながら「まるで贈呈用に造られたプルーフ（鏡面仕上げ）コインのような光沢があるコイン」のことです。なおNGC社はPLの中でもさらに光沢感が強いコインに対しDPL(ディープ・プルーフライク)の評価をいたしますが、本貨はDPLではなくPLです。ご参考までに以下はNGC社によるMS/MSPL/MSDPLの枚数分布です。
 
・MS:17,500枚
・MSPL:3,223枚 ←ココです
・MSDPL:314枚
（2021年5月現在）
 
なおMSPLのうちMS70PLは2,016枚となっております。本貨を含む現代コインの場合、一般的に70より下は投資の対象としては弱いです。
 
厚み4ミリもあるウルトラ・ハイレリーフのきれいなコインで、本貨の特徴である光沢感と立体感がわかるように写真を撮りました。現代コインですが発行枚数も少なく特徴のあるコインです。ここ30年近くアメリカコインは長い眠りについたままですが、逆に言えば適正な価格でさえ買えば高値掴みの懸念が少ない銘柄だと思います。